ここでは、江戸時代から秋田地方に伝わる伝統的な玄米の炊き方である「びっくり炊き」について紹介します。
この炊き方では、玄米を白米のようにふっくらと柔らかく炊き上げることができ、比較的短時間で調理が可能です。特別な道具は不要で、普通の鍋でも十分に対応できます。
玄米「びっくり炊き」の基本
玄米の準備
まず、炊く分量の玄米を準備します。
1合の玄米からは大体大人2人分のごはんができます。
玄米は精米されていないため、水洗いしても糠が出ないことが多く、水もほとんど濁りません。
環境に優しく、洗った後はすぐに炊くことが可能です。
炊飯方法
炊飯には、ホーローやステンレス、または一人用の土鍋など、普通の鍋を使用します。
水は、玄米1合に対して1.2〜1.5倍が目安ですが、米が古い場合は多めに水を加えます。
強火で加熱し、沸騰してきたら中火にして吹きこぼれないように注意しながら15分から20分煮ます。
焦げ付きそうになったら、すぐに冷水を加えます。
「びっくり水」の投入
冷水は米の0.8〜1.2倍を加え、これを「びっくり水」と呼びます。
水の量は炊き加減によって調整し、水を加えた後はよくかき混ぜて再び強火にかけます。
10分から15分煮た後、火を止めて5分程度蒸らします。
完成
蒸らし終えたら、よくかき混ぜて全体を均一にし、盛り付けます。
この方法で炊いた玄米は、色が白っぽくなり、ふっくらとして柔らかく仕上がります。
食感はプチプチしており、噛むほどに甘みが増します。玄米特有の風味が生きており、素朴ながら豊かな味わいを楽しめます。
食文化への影響
この「びっくり炊き」は、少ない米で大きな満足感を得られ、ダイエットや健康管理にも効果的です。
便通改善や栄養摂取に優れており、忙しい現代人にとっても理想的な炊き方と言えるでしょう。
玄米は炊き上がるまでに時間がかかると思っている方は、試しにこの「びっくり炊き」という炊き方をやってみてはどうでしょうか。