健康志向の人々に人気のある海藻。
海藻のヌルヌル成分である「フコイダン」は、胃の健康をサポートしたり、がんの抑制効果が期待される成分として、数年前から注目されています。
スーパーでよく見かける海藻には、「わかめ」、「めかぶ」、「もずく」、「アカモク」があります。
今回はなかでも、「めかぶ」と「もずく」の違いについてご紹介します。
めかぶとは
「めかぶ」は褐藻綱コンブ目チガイソ科に属する海藻の根本部分を指します。
ワカメの根元部分であり、正確には「付着器」と呼ばれる部位ですが、一般的には「根」として表現されることが多いです。
三陸めかぶの特長
三陸海岸は日本一のわかめ生産地で、国内の約7割を占めています。
この地域で採れるめかぶは「三陸めかぶ」としてブランド化されており、輸入品よりも高価ですが、手が届かないほどではありません。
国産にこだわる方には「三陸めかぶ」がおすすめです。
三陸海岸のわかめのほとんど(約97%)は養殖で、プランクトンが豊富な環境が養殖に適しています。
地域による呼び名の違い
海藻は地域によって呼び方が異なり、「ネカブ」、「メヒビ」、「ミミ」などの名称で呼ばれることもあります。
めかぶの意味と特性
「めかぶ」は「和布蕪」と書き、ワカメの付着器の上にある葉状部の中で、厚く折り重なったひだ状の部分を指します。
一般的にはワカメの根部分として知られています。
茶褐色の「めかぶ」は、軽く湯通しすると緑色に変わります。
この際、冷水で冷やし、硬い部分を取り除いて食用にします。
めかぶの歴史と利用法
古代には海苔のように珍重され、貢物として扱われていた「めかぶ」は、現在では健康食品として人気があります。
水溶性食物繊維が腸内フローラに効果があるとされ、健康志向の食品として広く摂取されています。
「ご飯の友」として食べられるほか、納豆やとろろ、オクラなどの粘り気のある食材と合わせて「ねばねば料理」として居酒屋などでも提供されています。
もずくとは
「もずく」は褐藻綱ナガマツモ目モズク科に属する海藻です。
その名は他の海藻に藻が付くことから由来しています。
日本では、糸状に枝分かれしているものを「もずく」と呼ぶのが一般的です。
もずくの養殖と流通
「もずく」も「めかぶ(ワカメ)」と同様に養殖が盛んに行われています。
天然のもずくは流通量が非常に少なく、全体の1%程度しかありません。
主要な養殖地は沖縄県で、全体の約99%がここで養殖されています。
もずくは輸入品がなく、すべて国産品で安心して選べます。
また、台湾や中国などへの輸出も行われています。
もずくの呼び名と意味
「もずく」は地域による呼び方の変化がなく、そのまま「もずく」や「沖縄もずく」と呼ばれます。
漢字では「水雲」と書きます。
もずくは褐藻の一種で、茶色く柔らかい糸状の海藻で、ぬるぬるしています。
もずくの生育環境と特性
「もずく」は静かな内湾のホンダワラ類に着生し、春から初夏にかけて繁茂します。
日本国内で流通している「もずく」は、実際には「オキナワモズク」のことを指します。
この「オキナワモズク」は南西諸島に広く分布し、大規模な養殖が行われています。
もずくの利用法と健康効果
もずくは酢のものとして食べると美味しく、「もずく酢」は家庭や居酒屋の定番料理です。
他にも吸い物、天ぷら、味噌汁に利用されることもあります。
もずくには豊富な食物繊維が含まれており、抗炎症作用や抗腫瘍作用などがあるとされ、健康食品としても注目されています。
めかぶともずくの違い
めかぶともずくの違いを表にまとめました。
項目 | めかぶ | もずく |
---|---|---|
分類 | 褐藻綱コンブ目チガイソ科 | 褐藻綱ナガマツモ目モズク科 |
ワカメの付着器の上にある葉状部で、厚く折り重なった部分 | 茶色で柔らかく、糸状でぬるぬるした褐藻 | |
色 | 緑色(湯通し後) | 茶色 |
主な漁場 | 三陸海岸 | 沖縄県 |
輸入の有無 | 輸入あり | 輸入なし |
栄養成分 | フコイダン、フコキサンチン、アルギン酸、ビタミンK、ヨウ素やカリウムなどのミネラル | フコイダン、フコキサンチン、アルギン酸、ビタミンK、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル |
「めかぶ」はワカメの付着器の上にある葉状部で、厚く折り重なった部分を指します。
一方、「もずく」は茶色で柔らかく、糸状でぬるぬるした褐藻です。
両者はどちらも褐藻であるという共通点がありますが、「めかぶ」はコンブ目チガイソ科に属し、「もずく」はナガマツモ目モズク科に属するという違いがあります。
また、「めかぶ」は湯通しすると緑色になりますが、「もずく」は茶色です。
まとめ
今回、「めかぶ」と「もずく」の違いについてご紹介しました。
これらの海藻は健康に良いとされていますが、過剰に摂取するとヨウ素やヨードの過剰摂取になり、体調不良を引き起こすことがあります。
特に一つの食品に偏って食べがちな方は注意が必要です。
適量を心がけて、ぜひ参考にしてみてください。