学歴、経歴、経験一切不問。
男と女の欲望が渦巻く世界で、ホストは自分という商品に一攫千金の夢を託す。
煌びやかなシャンデリア、着飾った女たちに囲まれてグラスを交わす。
これが世間のイメージか。
ネットでは、ホスト未経験の人間が知ったかぶって、ホスト関係の記事を書いたり、動画を作っているのが散見される。
しかし、ホスト経験のある人間からすれば、とんだお笑い草である。
ホストという仕事は?
ホストクラブというのは、男性従業員が女性客の隣に座って接待をする日本の飲食店。
Wikipedia
ウィキペディアからの抜粋通り、仕事の中身としては本当にそのまま。
世間一般のイメージ通りであろう。因みに海外にはホストクラブというものは存在しない。
ホストクラブの労働条件は?
勤務時間は6時間から7時間くらいで、売り上げが無ければ8時間になることもある。
これは店舗にもよるし、勤務時間が左右される要因は色々あって、一概には言い切れない。
新人や売り上げが少ないキャストは、7時間とみておけば間違いはないだろう。
ナンバー1ホストの勤務時間はどの店でも3時間から4時間くらいだ。
売り上げの40%から60%が自分の給料になるという理解でいい。
この%をバック率と言い、店舗毎に異なっているため、バック率に自信の無い店舗は、○○賞という賞金システムを多数設けて、見かけの給料をかさ増ししている。
賞金など、ナンバー3くらいのホストにしか関係ないのだが。
その一方で、いわゆる売れないホストには、最低保障日給というのがある。
これは6000円か7000円が相場だ。
歌舞伎町に関しては、ほぼ全てのホストクラブがこの金額だといっていい。
そして、ホストクラブ特有の皆勤賞がある。
1か月間、無遅刻無欠勤で2万円くらい貰える。
皆勤など昼の仕事からすれが当たり前なのだが、夜の世界では、無断欠勤をする信じられない人間が沢山いるのだ。
店休日は週休1日が相場だが、大手ホストグループの本店ともなると、週休二日制で有給休暇まで用意されている。
私が在籍していた店舗は、正月休みが6連休だし、ゴールデンウイークや盆休みは4連休をもらえていた。
店の行事の一つに旅行がある。
行先もオーストラリアやフランスで、泊まるホテルはリッツカールトンだったりする。
ホストなんて学歴不問で誰でもなれる割には、なかなか美味しい福利厚生のように思えるが、これはあくまでも歌舞伎町で有名店と言われる店舗の話だ。
無名店と言われるホストクラブでは、旅行や休日はこんなに良いものではない。
ホストの一般的なイメージとその実態
一見華やかに見える世界も、そこに携わるとなると話は違ってくる。
なにもホストクラブに限った話ではないが。遠くから見ている分には華やかなだけである。
従業員の出入りが激しい業界だが、一年も経てば、キャストの半分は入れ替わっている。
「思っていたのとは違った」というのが、未経験者が辞めていく理由の殆どを占める。
年収1000万円を超えるなんて、一部のホストの話。
5000万円や1億円など、頂点レベルのホストである。
ところが、メディアでそんな話を見聞きして、勘違いした人間が次々と入っては辞めていく。
「思ったように稼げない」だけでなく、ホストクラブの異質な雰囲気に耐えかねたというのも、よくある退店理由だ。
少なくとも良いイメージを持たれていないことは、ホストたちも重々承知している。
華やかなイメージとは裏腹に、酒を無理矢理飲まされたり、暴力を振るわれたりなど、バックヤードのイメージは非常に悪いが、3割正解7割間違いといったところである。
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